中村憲剛のイクメン対談 第4回 森沢明夫さん
VOL.3「大人が楽しんで生きる、それが大事」

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森沢:憲剛はなんでピンクアンブレラ運動をやろうと思ったの?

中村:フロンターレの地域活動で、児童虐待防止の仕事をしたんです。それで、僕も子どもが生まれて他人ごとじゃないなぁと思ったのが始まりですね。自分の立ち位置をうまく使って、世の中に発信したいという気持ちがすごく強くなった。そこから立ち上げまで3年くらいかかりました。

森沢:立ち上げるまで、結構かかってるんだね。

中村:すごく大きな問題だから、自分が出たところで、全ての問題がなくなるわけじゃない。もちろん、なくなればいいんですが、簡単じゃないというのは父親と何回も話をしました。

森沢:簡単ではないけれど、やらないよりはやった方がいい。

中村:自分が立ち上がることで気づいてくれたり、今まで周りに目がいってなかったけどいくようになったり、そういう人が増えてくれただけで、僕がこれをやっている意味があると思うんです。これは5年で止めるとかじゃないので、皆さんの協力をもとに、ずっとやっていきたいと思っています。その中の対談企画で、子育てとか、虐待やいじめに関しても、皆さんどう思っているのか聞きたかったんです。
この対談を読んだ森沢さんのファンが、友だちに広めてくれたりしたら嬉しいですね。TwitterとかFacebookやブログも森沢さんはやってるから、それがきっかけでみんなが興味を示してくれたらいいなと思います。本当に皆さんと対談させてもらって、4回目でだいぶ慣れてきたというか。僕が黙っていた方がいいというのがわかってきました(笑)。

森沢:聞き手がいないとね(笑)

中村:聞き手も必要ですし、対談もうまくやりたいです。このサイトは、そういう悲しい嫌なニュースを皆さんに発信している場だったりしますけど、まず何かをするのが大事ですよね。アクションを起こすと、もちろんネガティブなものも出てくる。でも僕は、ポジティブなものの方が多い気がするんです。問題はネガティブですが、やることはポジティブ。こうやってみんなでできればいいなと思います。
森沢さんには今回だけじゃなく、今後も是非協力していただきたいです。

森沢:もちろん。協力できることがあれば、何でも言ってね。

――虐待やいじめに遭う子どもが増えているニュースをよく聞きますが、それについてはどう思いますか?

森沢:まずは大人が幸せにならないといけないと思います。人生を楽しめる大人になれば、子どもに虐待なんてしないと思うんです。逆に、大人が不幸で、心の中に鬱積した黒いものが溜まると、一番身近で簡単なはけ口である子どもに被害が及ぶ。だからまずは黒いものを子どもに向けて発散する前に、大人が楽しんで幸せに生きる。それが大事だと思っています。

中村:それぞれ事情もあって簡単じゃないけれど、それはすごく大事なことだと思います。黒いものを溜めないようにって言いましたけど、虐待を止めるとかではなく、その前の話だと思うんです。大人が自分でどうにかできないのか、もう一回考えてみることで、今の立ち位置や、周りとの関係性とかがそうなる前に止められるんじゃないかと思います。大人が自分でアクションを起こすだけじゃなく、周りの人にアクションを起こしてもらったりしてもいいですね。

森沢:大人が何かの行動を起こす時に、「こういう人生って素敵かな?」って、1回1回自問して欲しいと思います。「子どもを虐待する人生と、子どもを愛する人生、どっちが素敵かな?」って。1度冷静に考えると、幸せなのはどっちか、わかってくると思います。

中村:愛する人生を選ぶし、そのためにどうするのかを考えると思います。

森沢:人を愛し愛する人生の方が、その先も絶対に楽しいし、いいことが待っている気がします。心の傷がその人にもあるだろうから、その傷を子どもに向けないためにも、その傷は大人同士で癒してあげるのが大事だと思います。

――最後にピンクアンブレラ運動について一言お願いします。

森沢:憲剛は子どもが好きだし、サッカーファンの子どもたちにとって憲剛はヒーロー的存在。そんな憲剛がこの運動をやってくれたことがすごく嬉しかったです。子どもたちが幸せな世の中というのは、もっとも成熟した世の中だと思うんです。だから、ぼくが小説を書く時に、いつも最初にイメージするのは、地球の裏側の子どもたちの笑顔なんです。いちばん遠くにいる子どもたちまで笑顔にする、そこまで届く小説を書きたいと思っているから。なので、子どもたちを幸せにするためにあるこの活動は、すごくいいなと思います。

中村:この活動がそのきっかけになればいいかな。

森沢:自分が虐待していなくても、「あの子虐待されているかも?」ってちょっとでも思った人がこの運動を知ったら、「あの子の親に声かけてみよう」とか、なるかもしれないし。とにかく小さいことでも、コツコツと前向きな方向に変わっていく運動になれば素敵だなと思います。

中村:ありがたいです。頑張ります。

一同:ありがとうございました。

 

森沢明夫
■森沢明夫 Akio Morisawa
作家。1969年、千葉県生まれ。早稲田大学人間科学部卒業。日韓でヒットした「虹の岬の喫茶店」は、吉永小百合主演映画「ふしぎな岬の物語」として2014年10月に公開予定。ベストセラー小説「あなたへ」と「津軽百年食堂」も映画で話題に。また「ライアの祈り」も映画化が決定し、2015年6月に全国公開予定。その他の作品は「癒し屋キリコの約束」「ミーコの宝箱」「ヒカルの卵」「大事なことほど小声でささやく」など多数。ノンフィクション作品「ラストサムライ 片目のチャンピオン武田幸三」では、第17回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。
森沢明夫 official blog「あおぞら落書き帳」http://blogs.yahoo.co.jp/osakana920