中村憲剛のイクメン対談 第5回 のぶみさん
VOL.2「まず子どもには学ばせることが大切」

» VOL.1を見る

――お子さんから生まれたことで仕事に対する考え方は変わりましたか?

のぶみ:子供がきっかけで誕生した本が多いです。
今でも売れている「しんかんくんうちにくる」もそうです。仕事が全然うまくいかなくて、トイレやお風呂で泣いてたら、ウチの奥さんがやってきて、「ごめんね」って言ってきたんです。どうやったら慰められるのか、わからないって。泣いてたんです。
それを見て、俺はなんのために書いているんだろうなって。認められたいのはもちろんそうだけど、ウチの奥さんを喜ばせてない状況で、他の人が喜ぶんだろうか?って思ったんです。
それでもなかなか売れなくて。子どもが生まれてから、子どもの前でも「絵本が売れない、ダメだ」って言ってたんです。すると2歳だったかんたろうが、「何がダメなの?」って聞いてきて。
「いや、パパ絵本がうまく書けないんだよ。売れないし」と言うと、「誰か困ったの?」って聞いてきたんです。そういえば誰も困ってないなあって。強いて言うなら俺が困ってるなって。ああっ、そうかと思って、「俺しか困ってないよ」ってかんたろうに言ったら、「じゃあこれで遊ぼう」って渡してくれたのが、新幹線のおもちゃだったんです。新潟に行く新幹線って2階建て車両なんです。その話がすごいでかいんです。このために書いてやろうと思いました。

――それがきっかけで誕生したのですか?

のぶみ:そうですね。だからかんたろうという主人公にしてあるんです。

中村:良い話をありがとうございます!

――お二人ともお子さんは、男の子と女の子1人ずつですよね?

中村:そうなんです。歳は違うんですが、のぶみさんと同じですね。

――男の子への接し方と、女の子のお子さんへの接し方は違うものですか?

中村:多少は違いますけど、子どもに対する接し方で自分の中の軸はあんまりブレてないです。男だからといって厳しくし過ぎるわけでもないし、女の子だからと言って甘やかすわけでもないし。そこは自分の中にちゃんとした基準があるので。

――のぶみさんも男女で接し方を変えていない?

のぶみ:男の子はかっこいいというと喜ぶんです。女の子はかっこいいって言っちゃダメなんです。可愛いと言わないと。それはベタですが。ある女の子のお母さんから聞いたんですが、その子が走るのが遅くて運動会でいつもビリだった。でも、遅くてもいいから一番笑顔で走りなさいと。お母さんはゴールのところでカメラを構えて待っていたそうです。
結局その子はビリだったんです。だけどゴールした後にお母さんが写真を見せて「あなたが一番可愛いでしょ?」って言ったんです。女の子だから、足が早いより可愛い方が嬉しいんですね。

中村:子どもをどう頑張らせるかって難しいですよね。結構悩みますよ。思ったとおりに全然やらないですもん。テンション上がってると思ったら、下がってたりとか。(笑)でもそれは親の都合ですよね。子ども目線でやるように努力はしてますけど。

のぶみ:全然喜ばない時ありますもんね。

中村:どうだー!と思って子どもの方をみたら、全く反応しない時ありますもん、ええっ!って。(苦笑)何か作った時とか。

――のぶみ家の子育てルールはありますか?

のぶみ:ルールというかやっていて気づいたことですね。最初はけんかしたら下の子から話を聞いていたんです。でも上から聞いた方がいいと気づきました。上の子から話を聞かないと、「あんちゃんズルい」になるんです。
そうしたら上の子が、あんちゃんのお世話をするようになりました。それまでは下の子ばっかり可愛がるから、お兄ちゃんが下の子をいじめてたんです。なので上の子から話を聞くというのは、今鉄板になっています。

――他に気づいたことは?

のぶみ:普通はガスコンロを触っちゃダメって言いますが、ガスコンロをあえて触らせてみたんです。押してみって言って。そしたら火が点くからそれ触ってみ、って言って触らせたんです。
「えっ!触って大丈夫なの?」「いや、熱いよ」と言われましたが、それから触らなくなりましたね。

中村:それで理解するんですよね。僕も極力そうするようにしてます。もちろん本当に危なくなる前には止めますけど。ウチは自分でやってみてこれは痛いとか危ないとか学んでもらってます。自分が痛かったり危ないなと感じたら二度とやらないですよ。僕もああそうだなと思いました。

のぶみ:他には、子どもとお風呂に一緒に入った時に話したりします。「かんたろうはバカとかイヤとか言ってるよね。頭の上に神様がいるって話知ってる?」
「その神様というのは、かんたろうのことが大好きだから、かんたろうがイヤだと言ってると、イヤなことが好きだと思って、夢中になってイヤなことを集めてくるんだよ」って。そしたらかんたろうが、「神様はろくなことしねえな」って。

一同:爆笑

のぶみ:神様に対してなんてことを言うんだと。「かんたろうが楽しいって言ったらどうすると思う?」って聞いたら、「神様が楽しいことを集めてくると思う」こいつアホみたいな顔しているから、絶対わかってねえなと思ったんですよ。
次の日幼稚園にお迎えに行ったら、幼稚園の先生が、「かんたろう君がずっと楽しい楽しい」って言ってましたと。かんたろうなりにやったんだって。「今日一日楽しいって言ってたら、パパ、どうなったと思う?」
「どうなったの?」「○○ちゃんからこれ届いたんだぜ!」って。ほねほねザウルスっていう食玩があるんですが、「それが届いたんだよ、パパの言ってることは本当だった!」って。

中村:可愛い。(笑)タイミングもよかったですね。

のぶみ:素直ですからね。

中村:意外と親の話って正確に覚えているんですよね。適当に話したらいけないんですよ。僕もちゃんと考えないといけないなって。あまり適当なことは言ったりしないようにしています。

のぶみ:子どもに言うこととか変わるんですか?こういうふうに言ったことがあるとか、サッカーのことでも普段の生活でも。

中村:彼も幼稚園でサッカーをやっているので、見に行くんです。

のぶみ:子どもですし、びっくりしますよね。

中村:喜んで張り切ってくれますね。小さいころから、サッカーは点取る奴が一番すごいんだぞってずっと言い続けたせいで、ポジショニングが明らかに変わっていったんですよね。(笑)普通幼稚園って団子になるじゃないですか。
グチャグチャで、ドリブルとか。それがいつの間にかウチの息子は団子の外にポツンといて、(ゴールを)入れられそうなところに。

のぶみ:(笑)。

中村:しまったなあと(苦笑)。

のぶみ:テレビで後輩が憧れる芸人っていうのをやってたんです。「オレのこと憧れているやついるのかなあ」って言ったら、かんたろうが「俺は憧れているぜ」って。
あんちゃんも「私も絵本作家になりたい」って言ってくれて。「嬉しい、ありがとう。パパはその言葉で生きていけるよ」と。

中村:ほんとそうですよね。世界中敵になっても子どもがそう言ってくれればそれでいいです。

 

■のぶみ Nobumi
これまでに160冊もの絵本を出版。
アニメに、NHKおかあさんといっしょ『よわむしモンスターズ』、NHKみいつけた!『おててえほん』、絵本に、『しんかんくん』シリーズ、『ぼく、仮面ライダーになる!』シリーズ、
『おひめさまようちえん』シリーズ、『トッキュウジャーかぞく』シリーズなど。
絵本『ダンスアース』ではEXILEウサさんと、『会いにいくよ』では漫画家森川ジョージさんと、コラボレーションしました。
また、内閣府の「子ども・子育て支援新制度」のシンボルマークであるすくすくジャパンキャラクターなども手がけました。
福島の子どものためのチャリティゆるキャラ、あたまがふくしまちゃんは、ゆるキャラグランプリ2013、2014で2年連続東北1位に輝く人気キャラクターとなりました。絵本作家のぶみのオフィシャルホームページ(http://www.nobmi.com/)
Facebook、Twitter(@nobumi2010)で毎日更新中