中村憲剛のイクメン対談 第5回 のぶみさん
VOL.3「子どもは未来」

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――イクメン対談も5回目となりましたいじめや虐待が多発する世の中について、のぶみさんはどのように思っていますか?

のぶみ:僕は子どもを相手にした職業ですから、子どもは未来ですよと言っています。未来に何を残すのかは、大人の役目だと思うんです。僕は命より大切なのは、残すことだと思っています。
ある時、内閣府からの依頼で、福島県で話す機会があって、そこには大臣も来ていました。そこで「今の日本は福島のことをなかったことにしようと思っています」って言ったんです。内閣府の人がええっ!ってなって。
「だけど、僕も人に言えないことはたくさんあります。だから、今の日本を作ったのは今の大人たちだと思います。僕も人に言えないことがあるし、政府も言えないことがあるんじゃないだろうか。でも子どもが一番大切だから、子どもに何を残すのかが一番大切にしてほしいことです」と言いました。子育て支援制度の話のイベントだったんですが、新制度より大切なことは子どもをよく見ることだと思いますって。
虐待も、自分の子どもじゃなくても、虐待しているかどうかは子どもをよく見ていたら、わかることかもしれません。幼稚園のお母さん方でも。僕らの責任でもあるし、これからちゃんともっと見ないといけないよねって。

――今回5回目の対談でこれまでいろんな人の話を聞いてきました。中村憲剛さんはなぜイクメン対談をずっと続けていらっしゃるのでしょうか?

中村:まず純粋に僕が楽しいからです。いろんな職業のお父さんやお母さんとお話しできる機会なんてそう多くないですから。いちおさんはアートディレクターで、作家の森沢さんは作家だったり。普段聞けない話が聞けるし、親としてどうしているかも聞ける。
こうやって業界の最前線でやってきた皆さんが、この問題に対してどう考えているのか話しをしてくれることは僕にとってすごくありがたいですし勉強になります。皆さんが本当に良いことを言ってくれますし。

のぶみ:虐待を減らすためにはどうしたらいいと思ってますか?

中村:僕もそれをみんなと一緒に考えたいんです。正解なんてないじゃないですか。

のぶみ:その質問があるって知って、減らすってどういうことなんだろうと。中村憲剛さんは何か知っているのかなって思ったんです。明確なやつが。

中村:僕の中に明確な答えはないんですね。こういう話をしている中で、そのヒントがあるかもしれないですよね。対談を見た人が、「そういう考えもあるのか」と思うことで変わることがあるんじゃないかって。
この対談がなかったら、のぶみさんや僕の思いは発信されないので、まず対談をすること自体に意味があると思います。

のぶみ:これについて考える機会をもらって、すごく考えました。

中村:メールもいただきましたもんね。

のぶみ:どうするのかなと思った時に、実際虐待されている子どもに会ったことはありますか?

中村:児童養護施設に行きました。

のぶみ:どうでした?

中村:僕が行った時は元気というか、すごく楽しんでくれたんです。本当の顔を見せてくれないというか、出さないようにというか。でも行けばその空気はわかる。みんな辛い経験をしても自分の足で歩き始めている。それはすごいことだと思いました。
そういう環境にいるんだけど、みんな自分の人生があって自分の足で立って歩いている。それを感じました。僕は話をしたりボール蹴るしかできないんですが、でもいろんな人が見ているんだよと伝えることが大事だと思うんです。喜んでくれた顔を見て、伝えることは大事なんだなと感じました。。

のぶみ:僕も呼ばれて一回行ったことがあるんです。絵本を読み聞かせて、最後まで話聞けるかな?と言ったら手を挙げない子がいました。
「じゃあ読まない方がいい?」とその子に聞いたら、また手を挙げなかったんです。絵本を読んで、「もう一つ読もうか?」って聞いたら、挙げないんだけどいるんですよ。手を挙げない子がいるんだって。
周りと同調はしないんだけど、いるってことで主張しているんだと思います。そういう子なんだけど、楽しいから見たいならそれでいいんだと思ったんです。俺が元気よくさせることでもなくて、そのままで、僕は絵本を読み終えました。
で、聞いているんだから、それでいいじゃんと。印象的でしたね、そういう子たちってあまりいないので。

――最後にのぶみさんから中村憲剛さんにこの活動に対して一言お願いします

のぶみ:30歳過ぎたらこういうのをもっとやった方がいいですよね。福島のチャリティゆるキャラを僕もやってまして、その売上が福島の子どもにいくんですが、そういうのもやった方がいい。
自分の好きなことをやって、さらに世界平和もできるといいなと思います。はじめからウルトラマンや仮面ライダーみたいに、正義の味方をやってたら疲れるかもしれない。
僕たちは、楽しくてこの職業をやっていますよね、だからやり続けられるし、こういう人たちがもっと増えたらいいなと思います。好きなことをやっていて、子どもたちのことも考える。世界がちょっとでも平和になれば、ウルトラマンより強いのかもしれないですよね。
僕の夢は、子どもたちに世界一人気のキャラクターを作って、そのグッズの売上で世界の子どもがちょっとでも救えたらと思っています。それも見たからですね、アフリカで。見るとリアルになりますから。
なので児童養護施設に行ったというのはすごく大事なことだと思います。だから何かやれることがあれば、何でもやりますし。僕もいろんなことをやりたいと思います。

中村:これをきっかけに横も縦もつながりができるので、みんなでやっていきたいというのが正直ありますね。

のぶみ:好きなことをやっている人たちを集めてやったらいいですよね。好きなことやってるんだから、それくらいしろって!(笑)。そしたらみんな「だよな」って言うと思います。

 

■のぶみ Nobumi
これまでに160冊もの絵本を出版。
アニメに、NHKおかあさんといっしょ『よわむしモンスターズ』、NHKみいつけた!『おててえほん』、絵本に、『しんかんくん』シリーズ、『ぼく、仮面ライダーになる!』シリーズ、
『おひめさまようちえん』シリーズ、『トッキュウジャーかぞく』シリーズなど。
絵本『ダンスアース』ではEXILEウサさんと、『会いにいくよ』では漫画家森川ジョージさんと、コラボレーションしました。
また、内閣府の「子ども・子育て支援新制度」のシンボルマークであるすくすくジャパンキャラクターなども手がけました。
福島の子どものためのチャリティゆるキャラ、あたまがふくしまちゃんは、ゆるキャラグランプリ2013、2014で2年連続東北1位に輝く人気キャラクターとなりました。

絵本作家のぶみのオフィシャルホームページ(http://www.nobmi.com/)
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