なくそうよ、虐待。やめようよ、いじめ。

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毎回、中村憲剛と子育てに熱心なゲストが、育児の楽しさ・喜びについて話し合う「中村憲剛のイクメン対談」。第一回は同じ川崎フロンターレ所属で今シーズン絶好調のFW大久保嘉人選手にご登場いただきました。まるで自分も子どものように、子育てを楽しむ2人の会話は、笑顔溢れる内容となりました。

――お2人は普段から子育てについて話しあったりしますか?

大久保:ないですね(笑)

中村:僕も家族が何人いるかは知っていますが。方針とかは知らないです。

――お子さんは?

中村:うちは2人で、上が男、下が女です。それで、ヨシトが…。

大久保:男3人です。1番上が8歳で小学校2年生です。家の中、ヤバイっすね(笑)

――では最初は子どもの誕生秘話というテーマでお話いただきたいのですが…

中村:僕は2人とも立ち会いましたね。1人目は試合前日だったんですけど、監督に「すいません行かせてください」とお願いして、練習を休んで行かせてもらいました。最初から最後まで、感動しましたね。

大久保:僕は、1人目は立ち会ってないです。ちょうど、その時スペインにいたんですよね。キャンプ中だったので、初めて会ったのは生まれて2~3週間後でした。2人目、3人目は日本だったので立ち会いましたね。

――生まれてどう感じましたか?抱っこした時に責任感を感じたとか?

中村:正直、実感が湧かなかったですね。これからジワジワ来るのかなって、思いましたけど。夢みたいな感じでした。可愛いなとは思いましたけどね。2人目からは、1度経験しているので、慣れたというか。娘には申し訳ないんですけど、「こんな感じだよね」って(笑)。もちろん、嬉しかったですけどね。

――大久保さんは、初めて子どもに会った時はどうでした?

大久保:ちょっと抱くのが怖かったです。どういう持ち方したらいいか、わからなかったですね。

中村:わかる、それ。

――お2人とも、子育ての方針は何か決められていますか?

中村:うちは漠然とありますね。嫁さんとよく2人で話すのは、小さい時から対個人として接すること。そして悪いことは悪い、良いことは良い。それをちゃんと教える。じゃないと、なぜ怒られるのか、本人がわからなくなると思うので。
社会に出た時に迷惑をかけないというか。当たり前ですけど、それは学校じゃなく親がやることだと思います。あとは子どもとよく話すこと、話をよく聞くこと。子どもと一緒にいられる時はコミュニケーションをとって、僕自身も楽しんでいます。

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――大久保さんはおうちで何か方針がありますか?

大久保:怒る時はバシッと言いますけど、あとは常に一緒にいますね。外に連れて行ったり公園にいったりして、一緒にサッカーしています。試合の前の日も公園に行って、他の子どもたちとサッカーしてますよ。子ども自体、そんなに好きだっていうわけじゃないんですけど、遊んでやりたいですよね。喜ぶ顔が見たいので。

中村:いいね~。

――奥さんと子育ての方針で対立したりとかはありませんか?

大久保:あるある。すぐ怒るんですよね。だから、そんなに怒らなくてもいいんじゃないかって。それ言ったら、こっちに来る(笑)。それで喧嘩になります。でも、2人同時には子どもに怒らないようにしています。

中村:ああ、それはある!同時に怒っちゃうと終わりだから。子どもが、どちらかには逃げられるようにしています。逆に2人とも怒っている時は、「これやっちゃダメなんだな」って子どももわかるから。僕は、嫁さんを良く見てますね。子どもが何かやった時に、嫁さんの方を見る。嫁さんも僕の方を見てくる。その反応を見て、ちょっとそれ行き過ぎだろうとか、言い合います。
でも、寝顔を見ていて、「なんであんなこと怒ったんだろう」って後で思う。寝顔を見るとすごく可愛いくて、次の日は怒らないようにしようとするんですが、また怒る…。

――奥さんと自分の意識の差を埋めるのは、やっぱり話し合いですか?

大久保:そうですね。それしかないと思います。それでうまくいく時もあるし、それで喧嘩になる時もある。結局こっちが負けるけど。

中村:負けるんだ(笑)

大久保:最後は僕の方が聞きますね。そういうふうに歩み寄っていかないと、解決しないですし。

――遠征で家を空けたりする時、奥さんや子どものケアはどうされていますか?

中村:電話しかないですね。僕は結構定期的にかける方だと思います。毎日は当たり前ですね。1日何回か。起きてメール、練習行く時とか。今はテレビ電話があるので、それを使ったり、ちゃんと時差を計算してかけたり。結構マメですね。

大久保:僕も遠征行ったりしたら、テレビ電話ですね。

中村:あと遠征前は極力、喧嘩しないようにしています(笑)

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――子育てで大変なのはどんな時ですか?

中村:大変なんだけど、それを大変と思うかどうかじゃないかなと思います。現状は大変かもしれないけど結構楽しいから、そこまでマイナスイメージじゃない。子どもは育つし、本当に手の掛かる時期は過ぎて、今は一緒に色々なことを楽しめる時期に入って来ているんで。
最初は大変だけど、それはしょうがない。彼らも2歳とかまでは、1人で何もできないですからね。僕らも、あの時は大変だったねという話はします。

――たとえばどんなことが?

中村:みんなそうだと思いますけど、夜泣きとか、常に目が離せないとか。それが大変かどうかは、人それぞれだと思います。今と比べると、昔が意外と大変だったねという話はしますけど。

――大久保さんのところは?

大久保:3人いるのが大変ですよね。お風呂も1番上は自分で洗いますけど、下の2人はまだ洗えない。それでも、僕が一緒にお風呂に入るんですが、結構(自分で)やってますよ。

――それぞれ、生活のリズムも違いますしね

大久保:朝早く起きないといけないですからね。学校がある。それと下の子を出す時間が中途半端で。1番下の子が1歳半なので、早く起きないとダメなんですよ。それが、ちょっと大変だと思う

中村:わかる。僕も嫁さんと「もう1人いたらヤバイよね」って話をしていました。ヨシトの家とか大変だろうなって(笑)。1人でも手一杯なわけですから。

――風邪とかうつされたり?

中村:そうそう、結構もらうんです。なので子どもが風邪をひくとすぐ隔離されます。

大久保:僕は関係ないです。風邪ひかないですね(笑)

中村:言ってみたい(涙)

――子どもができて嬉しかったことは何ですか?いっぱいあるとは思いますが…

中村:“全部”だと思います。成長していく過程、ハイハイしたり、つかまり立ちしたり、歩いて走って喋って。その度に嬉しいですよね。全て。

大久保:僕もすべてです。

中村:そうだよね。

大久保:一緒にサッカーしたりとか、すごく楽しい。

中村:俺も一緒にボールを蹴るのが夢だったからね。

――子どもに期待することってないですか?

中村:うーん、期待すること…。

大久保:何も期待しないかな。

――子どもにサッカー選手になってほしいとか、ありませんか?

中村:息子は今サッカー好きでやってますけど、本人が選ぶことなので。娘はまだ3歳ぐらいで、まだわからないし。自分の好きなように歩んで欲しい。何かが起きた時に、僕らがちゃんと支えてあげられれば、と今は思っています。今後、ガンガン言う親になるかもしれませんけどね(苦笑)。でも、僕らも完璧な人間ではないので親として一緒に育っていければと。

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――どういう性格に育ってほしいとかありますか?

大久保:なんでしょうかね。楽しい子に育ってほしいです。お喋りもそうですし、率先してやる子。勉強はちょっと期待できないんですけど(笑)

中村:まだわかんないでしょ!8歳だったら。

大久保:そうなるとすごいな。でも、本当に勉強量が少ないんですよ(笑)

中村:明るく元気なのが1番いいよね。活発に。

大久保:そうですね。とにかく楽しく。

――子育てで難しく感じることがあれば具体例を

中村:無いんじゃないかな。この話を聞いている限り(笑)。何を難しいかと思うかなんですよね。僕たちの認識するレベルが低いのかもしれない。子どもに完璧を求めていないし、“子どもは子どもらしくでいいんじゃない”って思っているので。そう思っていれば、あまりストレスに感じないのかなと思います。

大久保:ないですね。ストレス感じたこと、ないです。

中村:この人、案外優しいから。ヨシトも含めて4人兄弟みたい(笑)。俺も結構そうだから。奥さんと子ども3人って感じで、一緒。

大久保:よく言われます(笑)

――そういう家庭の方が珍しいかもしれないですね

中村:かもしれないですね。僕らの場合、職業柄時間がある。朝早く出て、夜遅く帰ってくる職業の方だと、なかなか子どもと一緒にいられる時間が少ない。それに比べると僕らは圧倒的に普段は時間がある。この後も練習終わったら家帰って、子どもたちと会えるし。

大久保:そうそう。

中村:それは今だけかもしれないけど。逆にこの時間を大事にしたい、楽しみたいという気持ちは強い。だから、大変だとか思わないかもしれない。僕たちの人生は、サッカー選手を引退した後どうなるかわからない。だから今を大事にしたいなと。

大久保:今はそうですね。ずっと子どもと一緒ですし、楽しいです。

――実際にお子さんとどんなことをされていますか?

中村:自分がいる時は、何をするにしても彼らと一緒です。ゲームを一緒にしたり、テレビを見たり、子ども達だけで遊んでいる時も同じ部屋で何かをしている感じで常に一緒です。

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大久保:うちは、上2人がサッカーしてるんで、サッカーしに行こうしか言わないですね。それで一緒にやるって感じです。

中村:2人いたら違うよね。うちはまだ1人しかできないから。3人いたら面白いよね。

――兄弟喧嘩もしますか?

大久保:しますね。うちは、下が強がる。上はもちろん負けないんですけど。下は泣かずに突っ込んでいく。それが楽しい。

中村:それはそれで、立派な教育方針というか。普通は止めるでしょ?でも、止めない。うちは男・女なので。ちょっと止めないとヤバイってなるから。

大久保:それはそうだね。2人目が4歳で、上と4つ違う。でも、気が強いから面白いです。

――いけるところまでいけと

大久保:はい。どこまでいけるか、ですね。やられて痛かったら次行かなくなるし。

中村:やらないとわかんないというのがすごいな。喧嘩だけじゃなくて、とにかくやらせて突っ込ませる。

大久保:ありますね。何事も。激しいと止めますけどね。上が本気出しちゃったりとか。でも、基本的にはやらせた方がいいと思います。

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――近年、子どもを虐待する事件などが増えています。中村憲剛さんのこの運動について、一言頂きたいのですが

大久保:虐待で子どもが殺される事件もありましたし、そういうのを見ると本当に「なんでかな?」と思います。早いうちに、そういうのは知らせてほしい。何かあれば、すぐ周りの人に相談して欲しいと思います。こういう機会ってあまりないので、すごく良いなと思いました。

――防止するために重要なことは?夫婦間の関係も大事ですよね

大久保:それは1番だと思います。旦那さんが仕事でいないところもあるでしょうけど、そういうところでは奥さんが溜めずに、ママ友達と話すとかが大事だと思います。1人で考えたら、どうして良いかわからないので。

中村:確かに。そういう風になっちゃうんじゃないかなと思います。

――うちは全然大丈夫?

大久保:まったく大丈夫ですっ!

――いじめの問題についてはどうお考えですか?

大久保:色々言われたりしたら、自分で抱えてどうにもならなくなる前に、友達だとかに言うべきだと思います。

中村:自分の世界だけがすべてじゃない。そこに考えを持っていくのが、すごく大事だと思います。結構難しいですけど。特に学生なんかは、その世界だけが自分の世界だと思っているから。ちょっと踏み込んで視点を変えてみることが大事。そういう選択肢もあるんだよと、親が提示してあげることも大事ですよね。
いじめられたらやり返すとか、いじめられてる子からしたら、そういう次元じゃないと思う。いじめ返す力があるなら、やっていると思うんです。できないということは、そういう力が無かったり、周りに友達が少なかったり。そういう時は親の力だと思うんですよね。親にそれを言える環境を、小さい頃から作っておく。いじめられていることが恥ずかしい、嫌だから親に言えない。親が知らなかったとか、ニュースでありますよね。そうしないように親も地域の大人がそうしていく。いじめを根本から解決するのは、なかなか難しいけど、周りみんなでやっていくのはできると思うので。

――もしも、お子さんから「いじめられている」と告白されたらどうします?

大久保:うーん、どうすればいいだろう…。多分奥さんと話して対策を考えますね。あとはよく言ったと思う。

中村:やっぱり親と子、夫婦間のコミュニケーションが一番大事だと思います。

――そうやって少しでも家庭の風通しがよくなって、悲しい事件が少しでも減ればいいですよね。今日はありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

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